デイブの映画話2"ヒート"


男汁120%!デニーロvsパチーノ!

濃厚&ド渋なマイケル・マン師匠の代表作「ヒート」を紹介!



クルーのみんな、調子はどうだい?

こちら航海長デイビッドだ。


俺たちの住むシアトルも、冬真っ盛り。

随分寒い日が続いていて、まいっちまう今日この頃だな。



ちなみに俺は寒くてどうも元気が出ない日には、近くのダイナーに行くんだ。


そこで最っ高にあっつあつの、最っ高にウマいコーヒーを飲みながら、マスターとひとしきり会話することにしているよ。

身も心も芯から温まるし、マスターの小粋な人柄から元気をもらえるんだ。


みんなも寒くて参っちまいそうな時には、ちょっとしたお楽しみを自分に用意してみるのもいいんじゃないかな。



というわけで、今日も俺のお気に入りの映画をひとつ紹介しようじゃないか。少し長いぞ。




きょうは「ヒート」(1995、米)を紹介するぞ。


監督は名匠マイケル・マン、そして主演はロバート・デニーロとアル・パチーノという、豪華クライムアクションムービーだ!


あらすじ

舞台は現代LA。


プロの強盗ニールは仲間とともに現金輸送車の強奪に挑む。

周到な計画を立てていたが、新入りのミスにより、計画に反してやむなく警備員を射殺することに。強奪は成功したものの、これがアシとなり、警察の捜査の手がニールらに伸び始める。


ロス市警のヴィンセントは、捜査チームを組織しニールらを追う。

捜査を進める中で、ヴィンセントは、ニールのプロフェッショナルなやり口にある種の敬意と友情を覚えはじめる。


捜査の手が迫る中、ニールは偶然出会った女性と恋に落ちる。彼女と幸せに添い遂げるために、ニールは最後の大きなヤマを踏んで足を洗う決意をするが…!


↑予告(日本語)



デイブ的いいねポイント①:豪華スター共演!熱き男たちの友情をみよ!!

まずは役者について触れておこう。



なんといっても主演2人がすごい。


強盗ニールを演じるのはロバート・デニーロ、警察ヴィンセント演じるのはアル・パチーノ、どちらも代表作をあげればキリのない映画史上に輝く名優だ!



脇のキャストも素晴らしく、特に強盗チームが良い!


ヴァル・キルマー(後にバットマンも演じる俳優だが、この頃は危険な色気がたまらんちんだ)!


トム・サイズモア(軍人を演じることが多いトム師匠、さすがのタフなガンアクションをみせてくれるぜ)!


そして俺たちのダニー・トレホ(筋肉モリモリ・タトゥーがっつり、世界一顔のこわいトレホおじさん、やっぱ信頼できる男だぜ)!!


最高!


そしてこの強盗チームがまた固い友情で結ばれているのがまた素晴らしいんだ…。


端的な例としては、ニールがチームの仲間に最後の仕事を依頼するこのシーン。


「次はマジで危険なヤマだ。参加するかしないかは、お前たち自身に任せる。…クリスはどうする?」

「俺は金が必要なんだ。やるぜ。」

「マイケルは?」

「俺はいつだってニールさんに従いますよ。」

「マイケル、今回は自分で決めるんだ。お前には家と家族がある。危険なヤマは避けるべきだ。」

「……。危険なヤマこそ俺の大好物ですよ(The Action is the Juice)。やります。」

「トレホは?」

「やるに決まってるじゃねぇか!」

「畜生!やっちまおうぜ!」


笑い合う4人…。


危険だと知りながらでも、硬い友情で結ばれた男たちは、"やるかやらないか"の選択に迫られた時、"やる"方を選ぶのだ!熱い!

いやぁ、マイケル・マンよありがとう!




デイブ的いいねポイント②:おしっこチビるぞ!大迫力のガンファイト!

マイケル・マン監督といえば、銃器描写への異常なこだわりが有名だ。


銃の種類に応じた音をひとつひとつ録音して使用し、着弾表現も相当リアルにしているという。役者にも、構え方や身のこなし、装填動作等々、銃の扱いを完ペキに覚えさせて本番に臨ませるそうだ。


そんなマン師匠の作品ではいつも説得力たっぷりなガンアクションが期待できるということで、銃器ファンからの信頼も厚いわけだ。



本作でも、中盤の12分にわたる大銃撃戦がクライマックスとなっているぞ。

ひたすら市街地で撃ちまくり!カーアクションも爆発もあるしお腹いっぱいだ!



俺はガンマニアというわけでもないので、詳細は全然わからないのだが、あまりの大迫力(そして音量もすごい笑)に、「ワォ、こいつぁスゲェ本物っぽいぞ…!」と、口ぽっかり開けながら両手を握りしめて見入ってしまう…!


ちなみに、このときのヴァル・キルマーの装填動作(動画の6:24あたりかな?)があまりにも速すぎるので、米軍では実際にこの映像を新兵に見せながら「この役者より速く装填しろ!」と指導している…、というウワサを聞いたことがあるぞ!


デイブ的いいねポイント③:仁義!男のロマン溢るるストーリーに感涙!

ストーリーとキャラクターも「熱い」からまいっちまうよ。



ニールとヴィンセントは、強盗と警察ということで、真逆な立場なのだが、心の部分ではお互いに共通する側面を持っているのが面白い。



まず第一の共通する側面は、「仕事を確実にこなすプロとしての側面」だ。

ニールは、入念な計画に基づいて確実に仕事をこなす、真のプロ強盗だ。寡黙で、冷静沈着。むやみやたらに殺人もしないし、汚い言葉で騒ぎ立てたりはしない。金を手にしてもつつましい生活を送り、派手な振る舞いはしない。仲間思いでもあり、同業者からの信頼も厚い。

そしてヴィンセントも、わずかな手がかりから徐々に犯罪の核心へと確実に迫る、地に足のついた優秀な警官だ。雑で口汚い物言いは多いが、リーダーシップは確かで、捜査チームを強引に指揮する。生活は二の次、24時間いつでもアンテナを張る捜査の鬼だ。

つまり2人とも仕事は徹底的にこだわり完遂する、プロフェッショナル同士ってわけだ。



そして第二の共通する側面は、「仕事に精を出しすぎるあまり、愛する人を幸せにできない・安定した家庭を築けないという、悲しき男の側面」だ。

強盗ニールは奥さんも子供も持たず孤独に暮らしている。なぜなら「犯罪者にとっての家族は足かせとなるし、なにより家族の人生を不幸にしてしまう」と考えるからだ。

警官ヴィンセントの方は、奥さんと娘がいるが、不規則かつ多忙な仕事の代償で、彼らと共に過ごす時間は少なく、愛情も注げない。ヴィンセントの留守中に奥さんは浮気するし、娘は精神的に不安定になってしまい、パニックの末、トンでもないことをしでかしてしまう…。

このように、二人とも「プロの男」ならではの厳しさと裏腹の苦悩を持っているのだ。




そんな近しいパーソナリティの2人は、ストーリーが進行するにつれ、リーダー同士として、お互いの存在を意識しはじめる。

そして追う追われるの立場にもかかわらず、次第に不思議な友情が芽生えはじめるんだ。

つまりニールからしたら「この俺をここまで追い詰めるなんてアイツもプロだ!絶対出し抜いてやるぜ!」となり、ヴィンセントは「アイツを捕まえられるのは俺しかいねぇ!なぜならアイツは俺と同等のプロだからな!」てな感じになっていくわけだ。




後半にはこんな素晴らしいシーンが。


ハイウェイでニールを尾行するヴィンセント。ヴィンセントの気配を察したニールは、路肩に車を止めて降り、ヴィンセントに話しかける。「少しコーヒーでも飲みに行かないか」


(↑テレビ版の吹き替えめちゃんこかっこいいな!)


ダイナーで2人は互いのプロとして生き様について語り合った後、こう語る。

「今度会った時は、ためらいなくお前を殺すぞ」




彼らはプロの男同士、誰よりも心が通じるはずなのに、立場が立場なので、どちらかがどちらかを殺さざるを得ない悲しい運命に…!

いや、むしろ最高の宿敵だからこそ、最高の対決となるのか!?「俺に見合うのはおまえしかいねぇよ!」ということなのか!?

どっちにしろ、彼ら2人に熱い友情が芽生えていることはたしかだ!




終盤ニールは、彼女をとるか、仁義を切るかの選択を迫られる。

ニールにとっての仁義というのは、裏切り者への復讐と、宿敵との決闘だ。


仁義を無かったことにしてあきらめることができれば、幸せな家庭と人生が待っている…。

そう知っていながら、ニールは男の道を歩むことを決意する…!…なぜか!?

ここでケジメをつけなければニールは一生後悔するとわかっているからなのだ!!

熱い話じゃないか!


そんな男の道を歩いたニールが立ち向かう宿敵は当然、ヴィンセント…。

映画のラスト、夜の空港にて、銃を手にしたプロの男2人、手に汗握る決闘へと挑む。

ここの緊迫感もすごくて、銃を構えた人物が、障害物で身を隠しながら相手との距離を詰め、一瞬の隙を待つ…!

音楽もなく、相手の気配と物音に全神経を集中しているこの静かなチェイスに、思わず観客も息を飲んで見守ってしまうことだろう。

そしてラストショット、2人の健闘を讃え合うように並んだシルエットをじ〜〜〜っくりと捉え、……暗転……、からの「A MICHAEL MANN FILM」


……ちょ、かっこよすぎるだろ!


ここでジーーンときたなら、君もこっち側の人間だ!握手をしよう!




ちなみにタイトルの「ヒート」とは「警察」の俗語表現だそうだが、この男らしいタフな映画に宿った「熱さ」を思えば、ピッタリのタイトルだと納得がいくな。



さらにちなみに、

「ザ・クラッカー 真夜中のアウトロー」というマイケル・マンの映画処女作があるが、こちらも「元ヤクザが、『奥さんと子供もできたし、カタギになろう』と誓う。しかし最終的には家族と別れて、敵に復讐しに行く」というお話を描いていた。


「ヒート」は「ザ・クラッカー 真夜中のアウトロー」のアップデート版といったところかもな。「ヒート」をみていいなと思った方はこちらもオススメだぞ。



「恋に仕事に悩むアナタに送る!」みたいな触れ込みはラブコメの予告編でよく聞くフレーズだが、この映画もある意味「恋に仕事に悩む」映画かもしれない。女子にとってのラブコメと同様、男子にとってのロマンチックなファンタジーとして是非みんなにもみてほしいものだな。



…いやぁ、なかなかの長文になってしまったかな?


漁師メタラーとしては、他にもっと力を入れるべきことがあるんではないだろか…とも若干思うが、書き始めたら止まらなかったもんだからしょうがない、と大目に見てもらえれば御の字だな。


そんなこんなで、また漁場で会おう!

Be Excellent to Each Other!


(余談)


最後に余談、というか小ネタだが、「ヒート」にはとあるパンクロッカーがキャメオ出演しているぞ。


それはBlack Frag等での活動で知られるヘンリー・ロリンズ氏だ!


ちょこちょこ映画に出ているロリンズだが、今作「ヒート」では、アル・パチーノに顔を掴まれ引きずり回され窓から放り投げられ、ベランダへとrise aboveしている!

文句のつけようの無いシメられ具合!笑


↑1:05くらいからの登場だ


たった30秒程度の出演だが、パンクファンの方は要注意で確かめよう!

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